信州上田カメラ屋気まぐれブログ

長野県上田市の松尾カメラ店主のブログです

コムクドリの巣立ち

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ムクドリ 餌を運ぶ親鳥

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ムクドリ 大声で巣立ちを促す親鳥

梅雨入りするこの時期は、野鳥たちの巣立ちの時期でもあります。隣のお宅の鬼瓦で子育てをしていたコムクドリたちもその時を迎えました。

入梅の土砂降りの雨になる直前、親鳥たちは餌運びをやめ、巣に近づいたり少し離れた電線や木の枝に退いたりしながら、「ギーッ、ギーッ」と小さいからだからは想像出来ないような激しい声で子供たちの巣立ちを促します。その日のうちに2~3羽の子供たちは巣から飛び立って行きました。

ところが、どうやら一羽だけは巣に残ったままで「ピー、ピー、ピー」と甘えるような声で鳴き続けています。親鳥と既に巣から離れた子鳥たちは数十メートル離れたところから、心配そうに見守っていました。

信州にも梅雨入り宣言が出され、上田辺りでも土砂降りの雨。雨に打たれながらも親鳥たちは交互に巣を覗き込み、「ギーッ、ギーッ」と鳴き続けます。一旦雨が上がり、いよいよ残る1羽も巣立つかと期待しましたが、出てきません。何かあったのかと心配になりました。

それから3日が過ぎ、親鳥たちは騒ぎ続けておりましたが、3~4羽いれば1羽の犠牲ならそんなものなのかと勝手に納得していた矢先に、ようやく残りの1羽が巣立っていきました。

日常生活の中で野生の生き物たちの活動に目を向ける機会はほとんどない中、たまたま身近なところで繰り広げられたコムクドリ一家の子育てや巣立ちの様子に気をとめることが出来ました。人間も同じかもしれませんが、子育て、巣立ちは一世一代の大仕事。他の生き物に襲われたり、巣から落ちたりする危険もあります。そのような中で、親鳥たちは最大限の努力をし、小鳥たちは勇気を振り絞って、未知の世界に旅立って行きました。

人間社会では今、コロナ禍の第一波がようやく収まり、感染症に対応できる新しい社会生活への第一歩を踏み出しました。勇気をもって果敢に攻めていく国や人々もあれば、おっかなびっくり周りの様子を伺いつつ、慎重に歩みを進める人もいるでしょう。何が正しくて何が間違いなのかなかなか見通せない状況ではありますが、この先に良い未来があることを信じて、それぞれのスタンスで前へ進んで行かれればと思います。

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