カールツアイス 135mm 色々
コロナ禍で例年の仕事が激減し、何とかしなければと中古カメラのネット通販サイトを立ち上げて3ヶ月が過ぎました。お陰様で、予想以上に多くの皆様にご利用いただくとともに、下取りや買取をさせていただく機材も順調に増えてきております。当店を支えて下さる皆様には感謝の気持ちでいっぱいです。
そのような中、私が個人的にも思い入れがある「カールツアイス」の135mmという焦点距離のレンズ4種を当店で扱わせていただく機会を得ました。
ヤシカ➔京セラコンタックス カールツアイス ゾナー135mm f2.8。
このレンズは、大学生のころ、銀座鳩居堂ビルにあったコンタックスサロンの佐藤館長さんの勧めで出会いました。一つ上の兄が音楽大学へ進学しているということで、我が家では私がカメラ屋に入るのが半ば既定路線となっていましたが、学校は普通の私立文系。佐藤館長いわく、写真を学びたいならこのレンズ1本だけで写真を撮ってみなさい、という言葉を信じ、ほぼ1年ぐらい、このレンズだけと付き合いました。それが私の写真の原点。このレンズとの出会いがなければ今の私はないと言えます。
卒業後、南平台スタジオという貸しスタジオと自社制作を行っているコマーシャルフォトの会社にアシスタントとして入社。その年の暮れ、社員旅行でバリ島に行った際、かがり火の下で演じられているケチャダンスを愛用のゾナー135/2.8で撮影していると、当時のチーフカメラマンがご自身のプラナー135/2を「これで撮って比べてみろ」と言って貸してくださいました。当時大人気だったコダクローム64で撮影。帰国後上がってきたポジを見てびっくり。衣装の金属のハイライトがくっきり際立った描写に唖然としました。
実際にこのレンズを自分のものとして使い始めたのは、上田に帰ってきた後にコンタックスのレンズがMMに変更になるということでAEレンズの割引セールがあり、迷わず購入しました。コンタックスの製造が終了し仕事の135機材をニコンに変更するまで、私の最愛のレンズでした。
カールツアイスの大判レンズはだいぶ希少なものです。私が実家の店に入る前から私の父がお婚礼写真の撮影などに使用していました。
このレンズは、大判レンズの中では比較的イメージサークルが狭く、わたしのコマーシャル関係の仕事では登場する場面は少ないものでしたが、質感描写が肝心な料理の撮影や家族写真などでは、他のレンズに代えがたい魅力がありました。
そして先月、再び出会うことに。中古サイトにアップするとその日のうちに売れて行きました。
ハッセルブラッドのベローズ専用マクロプラナーCF135mm f5.6は、私自身は使用したことのないレンズ。ハッセルの接写は120mmマクロやゾナーの150mmにエキステンションチューブを使用しており、135mmは気にはなっていましたが試す機会もありませんでした。
このシステムは露出倍数がネックとなり、ハッセルのマニュアルフィルムカメラでは使いこなすにはハードルが高かったのですが、今はミラーレス一眼なども登場し、この手の機材の使用が現実的になってきたように思います。
カールツアイスの135mmは、魅力に満ちた焦点距離です。