豊かな森と清流

地震の揺れで目が覚めた朝には、厚い雲に覆われていた上田地方ですが、商店街の店が開店する頃には厚い雲の間から日が差し、徐々に夏の青空が広がってまいりました。
この夏、日本列島を襲っている記録的な大雨と地震。各地に甚大な被害がもたらされ、自然の驚異を実感させられる日々が続いています。私たちが暮らす信州は、平地の降水量は少ないものの、周辺には急峻な地形が多く、ひとたび記録的な集中豪雨に見舞われれば、やはりあちらこちらの斜面が崩れ、川があふれ出す危険にさらされます。上田市内を流れる千曲川を始め、中規模以上の河川は、このところの雨で濁っていますが、これも大なり小なり山の土が崩れて流れ出している証拠です。

ところが、多少の雨でも水かさは増すものの、殆ど濁らない川もあります。そのような川は、豊かな森に覆われた山々の間を縫って、流れ下っています。山肌を覆う木々、その木々の足元を覆う低木や草、シダやコケが、雨水をしっかりと抱え、足元の土が流れ出すのを防いでくれているのです。

上田市の南部、美ヶ原のふもと、武石地区の巣栗渓谷は、狭い谷を真直ぐに川が下る急峻な地形で、いくつかの砂防ダムも築かれているのですが、周辺の山肌を包む豊かな森が、清流を護ると共に、人の生活する土地をも災害から護っています。
写真には写せませんでしたが、水かさが増した急流で飛び跳ねる岩魚の姿を見つけることが出来ました。



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