信州上田カメラ屋気まぐれブログ

長野県上田市の松尾カメラ店主のブログです

フィルムカメラを手放せない理由

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135タイプの一眼デジカメが2000万画素~3600万画素という途轍もない高精彩を実現し、ISO感度が10万を超える聞いたこともない超高感度撮影が可能になった時代。使用メディアも大容量・高速化がどんどん進み、ほとんどコストを気にせず手軽に高品質な写真が撮れるようになりました。
一方、人気の高い風景撮影ポイントに行ってみると、重たいフィルムカメラを三脚に据えて、じっくりと撮影している方がまだまだ大勢いらっしゃいます。その様な方の多くは、デジタルカメラもお使いになっているにもかかわらず、心動かされる景色に出会うと、フィルムカメラを構えずにはおられません。実は私も、その様なフィルムカメラファンの一人。美しい風景にフィルムカメラのファインダーを通して向かい合っていると、肩にぶら下げているデジタル一眼レフが邪魔にさえ思えたりもりします。

フィルムカメラは、様々な制約を抱えています。
〇ったその場で移りを確認することができない。
1本のフィルムで撮れる枚数が少ない。
フィルム代や現像代が高い。
ご凝戮低いのでぶれやすい。
ゴ靄榲にデーライト。
Ε薀船船紂璽匹妨続Δある などなど・・・。

ですから、フィルムカメラで撮影するには細心の注意を払って構図や露出を決め、丁寧にシャッターを切らなければなりません。
面倒なことかもしれませんが、実はこれが楽しみでもある。風景と丁寧に向かい合うための儀式みたいなものなのかもしれません。
結果、写った写真は、かなり煮詰まったものとなります。リバーサルフィルムで撮影したものは、色彩の誇張もなく、自分自身で撮影したものだという実感があります。
フィルムカメラが持っている様々な制約が、実は、撮影した本人にとっての一枚一枚の写真の価値を大いに高めているのだと思います。

最近、私どもカメラ店の間では、フィルムカメラの中古相場が大幅に崩れていることが話題になっております。今は、まだフィルムカメラをお探しの方がいらっしゃり、お得にお買いになれるということでよいでしょうが、この状況が進んで、フィルムカメラの中古市場そのものが成立しなくなってしまうかもしれません。古い物や制約のあるひと手間必要な物が存在し続けられる包容力のある社会が続いてほしいと願ってやみません。


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