信州上田カメラ屋気まぐれブログ

長野県上田市の松尾カメラ店主のブログです

モノクロK3プリント

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長野県内最大の写真イベント 写真県展の締切が来月15日に迫り、当店では、特にモノクロ写真のご注文が急増しています。

今年4月、当店では「モノクロK3プリント」と称した新サービスの受注を開始しました。
以前からプロカメラマンの間では、原版をデジタルデータ化してパソコン上で処理を加えた上でプリントすると言う手法が幅広く行われてきました。当店でも一部実施していましたが、いくつか乗り越えなければならない課題が残っていました。一つは、印画紙に焼き付けるレーザー仕上げの場合、最後の出力をRGBのカラーデータとして扱うために、グレーバランスが崩れると言うこと。一方、インクジェットプリンターを利用してグレースケールデータとして出力した場合、特にシャドー部でインクの浸透性の限界による、階調つぶれや面質の変調などに問題が生じ、満足いく仕上がりを得ることが困難でした。

そんなおり、今年3月、富士フイルムからインクの浸透性を高めたモノクロ専用インクジェット用紙が発売となり、早速試した所、思っていた通りの仕上がりを得ることが出来ました。モノクロに最適な専用インクジェットプリンターを導入し、4月からサービスを開始したと言ういきさつです。

もともと、モノクロで撮影する際は、フィルム現像や最終仕上げを想定し「プリントしやすい原版を作る」と言う考え方が求められます。作品仕上げには、現像やペーパー選択時のコントラスト調整、プリント時の覆い焼き調整など、撮影後に作品を作り込むことの重要性が高い。このようなモノクロの世界は、デジタル写真に最も適しているとも言えるのです。

今回の「モノクロK3プリント」登場後、当店ではカラーデータのモノクロ仕上げ、場合によってはカラーポジやカラーネガからのモノクロ仕上げも推奨しております。モノクロフィルム撮影の場合に必要とされていた黄色やオレンジのコントラストフィルター使用についても、撮影後の調整にゆだねることが可能となっているからです。
撮影後、カラーの仕上がりを見て、鮮やかな色が邪魔をしていたり、カラーだと生々しすぎてためらいを感じたり、色が質感描写や造形の面白さを阻害してしまうと言ったことは良くあります。そのような場面で、是非お役立て頂きたいと思います。

もちろん、モノクロ原版からも、従来以上の微妙な階調調整が可能です。是非一度、お試しになってみて下さい。


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