まちなかの野鳥
朝5時、けたたましい鳥の声で目が覚める。寝室の窓近くの電線に居る声の主は、キセキレイ。森の中であれば、適当にこだまして、魅力的な鳥の声ですが、まちなかだとコンクリートの壁に反射して、甲高い声が更にきつく感じられてしまう。というか、安眠を妨げられて、母親に「いつまで寝てるの」と怒鳴られた気分。
ところで、最近は、町中で暮らすスズメやツバメ以外のが増えたように感じます。近所の上田高校の周辺では、毎日ウグイスが美しい声を響かせています。なぜなのでしょう？
山が棲みにくくなった？
川の流れがきつくなって、川原に棲みにくくなった？
街の空気がきれいになって棲みやすくなった？
街の街路樹が育って棲みやすくなった？
私は、上田市の中心街から1キロメートルほどのところにある広大な工場跡地（ＪＴ上田工場跡地）の開発工事が始まって、そこに棲み着いていた鳥たちが行き場を失って街場に移ってきたのではないかと考えています。
ＪＴ上田工場の土地は、もともと、官営の工場を誘致するために、地元の地権者が低価格で供出したものと言う話を聞きました。その工場が役目を終え、閉鎖されると急速に自然の姿に帰ろうとしていた。ところが、土地所有者のＪＴは、巨大ショッピングセンターを誘致。市の公共施設利用と絡め、県下最大規模の開発事業に着手しました。
新しいものがやってくると、その土地を追われるものが必ず出てくる。それは、当たり前だと言えばその通りなのでしょうが、ある一部の人間の利益追求のためにこのようなことが繰り返されるとしたら、やるせなさを感じます。
けたたましくさえずるキセキレイとＪＴ跡地開発に戸惑う自分自身を含めた地元商業者の姿が、重なって見えてしまいます。
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信州上田生活支援サイト「真田坂Web」 http://sanadazaka.jp/
