信州上田カメラ屋気まぐれブログ

長野県上田市の松尾カメラ店主のブログです

森林と共にある生活

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11月20~21日、冬の撮影ツアー訪問地を探すために京都美山町、上田への帰りがけに木曾谷を訪ねてきました。京都北部や木曾谷の延々と続く曲がりくねった道に車を走らせると、日頃比較的平らな土地に生活している私は、森の深さに唖然とさせられます。
京都北部は「北山杉」で知られる伝統的な林業の盛んな地域。下枝が払われ整然と並ぶ杉の木立は繊細で美しい景観を成しており、森を育む人々の気高さが感じられます。京都市街から美山町へ向かう道路沿には製材工場や木工製品の工房が多く見られ、健全な林業が営まれていることがわかります。
美山町に立ち並ぶ茅葺の伝統家屋も、このような良質の森の木々が支えているのでしょう。「日本の国土の7割が森林」と言う話はよく耳にしますが、現在「森と共にある生活」を感じられる地域は、そう多くはありません。「殖産興業」「高度成長」を旗印にした近代史の中で、「森と共にある生活」の多くが衰退してしまいました。「限界集落」と語られているように、豊な森を育んで来た地域の若者が都会に移り住み、森に手が入らず荒廃する。日本一の材木「木曽檜」の産地も過疎による人手不足が常態化しています。
今世界は、経済至上主義の行き詰まりに直面。華やかだった製造業の現場から、労働力があふれ出し、行き場を失う状況が進行しています。「工業ではだめ」と言うわけではありませんが、或る部分「人々が森を育み、森の恵みで生活する」「人々が田畑を耕し、大地の恵みで生活する」と言うような、本来の人間の活動を取り戻す必要があるのかもしれません。
写真は、京都美山町北村地区と木曾妻籠宿。「森と共にある生活」を守ることの価値を見せ付けているように感じました。


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