信州上田カメラ屋気まぐれブログ

長野県上田市の松尾カメラ店主のブログです

ブータン王国 ⑬ タクツァン僧院とドゥゲ・ゾン

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遠くの断崖絶壁にへばりつくように築かれているのが、タクツァン僧院。8世紀、ブータンの仏教の祖グル・リンポチェガ空飛ぶ虎にまたがってやってきたという伝説にちなみ、人を寄せ付けない岩壁を削って造られた、ブータンで最も大切にされている聖地のひとつ。17世紀に建てられた以前の建物は1998年に焼失。しかし、2004年には同様の姿で同じ場所に再建されました。

この日、私たち一行7名のうち健脚の4名は、往復5時間のタクツァン僧院トレッキングへ。無事に参拝を果たしてこられました。
私を含む他3名は、他の寺院やゾン、市場などを見学、撮影。それぞれに充実した一日となりました。

もう一枚の農村の高台に建つしゃれた建物は、ドゥゲ・ゾン。現在もヒマラヤ・トレッキングの起点となっている当地は、チベットやネパール方面からの侵入者を防ぐ要の場所であり、1649年の戦勝記念に築かれた要塞でした。
タクツァン僧院同様ドゥゲ・ゾンも1951年にバターランプが原因の火災によって焼失し、しばらく廃墟となっていましたが、現在再建が進んでおり、すでに外観は美しい姿を取り戻しておりました。ガイドブックには廃墟の写真しか掲載されておりませんでしたので、現地に到着した時は、ドゥゲ・ゾンだとは気づかないほどでした。

ブータンの人たちは、古い建物が壊れてしまっても、また同様の建物を建てる。若いころ西ドイツの旅に参加した際、現地で出会ったオルガニストが「前の家と全く同じ間取りの家に建て替えた」と話していることを思い出しました。文化を守るということは伝統をかたくなに守る覚悟が必要なのだと思い知らされます。
ブータンが幸せであり続けるための秘訣が、このあたりにもありそうです。


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