信州上田カメラ屋気まぐれブログ

長野県上田市の松尾カメラ店主のブログです

ブータン王国 ⑨ シムトカ・ゾン

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17世紀、ブータン建国の父ガワン・ナムゲル(シャプドゥン)が築いた最初のゾン(中央官庁)シムトカ・ゾン。現在は多くの若いお坊さんたちがお経を唱え、国内各方面から巡礼者が訪れる仏教の重要施設となっているようです。城壁に見える鉄砲狭間や矢間のような防御施設の名残がみられる建物の様子とはミスマッチ、極楽浄土を感じさせる営みがみられます。

建物の中に入ってすぐの撮影禁止にはなっていないエリアには、国造りの物語や偉人などを表した壁画とともに、輪廻転生を描き表わした曼荼羅絵がありました。
ガイド氏の説明によると、6つの世界の一番上お釈迦様のおわします「天道」に上がった人は、そのほかの5道において積んだ徳に応じた時間だけ天道に留まることができ、その間お釈迦様から授かった教えを下の5道に戻って実践することで、また徳を積むのだそうです。
六道の世界を取り囲む12のマスには人の営みが描かれています。9時から10時のあたりには、男女が子作りに励み、母親の股の間から子供が誕生するシーンまで描かれています。人の営みすべてを客観的に認め、すべてがお釈迦様の掌の上の出来事であり、人間が大ごとに感じる上も下も悪も善も些細なことと言っているように感じます。これがもしかしたら「幸せの国ブータン」の根源的な哲学なのかもしれないと思っています。


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