信州上田カメラ屋気まぐれブログ

長野県上田市の松尾カメラ店主のブログです

フレアー対策

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3日前の月と夜桜の写真撮る際にも意識したのですが、月や太陽を一発撮りで画面に映し込む際、気を使うのがフレアーです。被写体に対して圧倒的に強い光源を画面に入れ込む場合、他の被写体が黒くつぶれない様にするためには、レンズ性能の限界を超える光の量を取り込むことになります。その結果、実際には存在しないもう一つの光や光のにじみが写真に写し込まれることになる。これがフレアーとかゴーストと言われる物です。

フレアーは、レンズ内部でレンズの表面に反射した光が別の面でさらに反射すると言うことが原因で起こります。ですから、設計の複雑なレンズ(ズームレンズなど)ほど起こりやすく、設計の単純なレンズ(単焦点レンズ)ほど起こりにくくなります。また、強い光の対角線上に現れると言う特徴があります。これを踏まえて対策をとれば良い訳です。

対策1,単焦点レンズを使う。但し、一部、単焦点レンズであってもライカの広角レンズの様に非球面レンズを使っている様なレンズは、私の経験ではフレアーが出やすい様に感じます。50mm1.4のレンズは各メーカーが必ずラインアップしていますが、このように安くて軽い、イコール設計が単純なレンズが最適。ところが、各メーカーはまだデジタルに対応した単焦点レンズはあまり世に送り出していない。この辺りに不満を感じている方も多いと思うのですが。

対策2,ズームレンズなど設計が複雑なレンズで撮影しなければならない場合は、後でトリミングすることを前提に月や太陽を画面のど真ん中に入れて広めに撮影する。

デジタル一眼レフであれば、最高解像度でシャープネスを落としてノイズが出ない程度の感度で撮影することを心掛ければ、相当な大伸ばしが可能です。400万画素位あればA1サイズだってへっちゃらです。ですからお持ちのカメラで400万画素の範囲までならトリミングしても問題ない。繰り返しますが、撮影時点では、シャープネスをかけないでおいて、フォトショップなどのソフト上でプリントに必要なサイズに拡大または縮小した後に、輪郭補正を適量かけることが重要なポイント。そうすれば、フィルム上の粒子がそのまま拡大されてしまう銀塩写真より遥かに大伸ばしが可能になります。

補足ですが、撮影時点でかけられたシャープネス(輪郭強調)で生じた線は、画像を拡大すると拡大した分だけ太く立派な線になってしまいます。大伸ばしをするからシャープネスを強くして撮影する人がいますが、これは全く逆の操作をしていることになり、大きな勘違いですのでお気をつけ下さい。

3日前の写真ですが、「月じゃなくて街灯みたい」と言う方もおられましたが、多くの方にほめて頂いたので、調子に乗って、うんちくを語ってみました。